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慶應中等部の傾向と対策(算数・国語・理科・社会)

算数 [45分/100点]


慶應中等部は、近年大問7題前後、小問20題前後の出題で、全体的に平易なものが多いが、問題数が多いため全て解くのは難しく高得点が必要となる。

時間内に速く正確に解くのは練習量が必要となる。よって、中等部が求めているものは、速くて正確な計算力と手際の良い問題処理能力である。

慶應中等部に合格するためには、

@毎年必ず出題される計算問題は自信を持って臨めるくらい練習する。

A図形の定番問題もより多くの問題を練習して解き方のコツをマスターしておいて確実に得点する(基本的な公式は正確に習得しておく)。

B速さの問題は旅人算を中心に、図形、場合の数と共に3台頻出分野であるので確実に得点できるものである。

C場合の数は何度の高い問題が多いため「解けるか解けないかの判断力」「問題を解き上げるまでに必要な時間を予想する力」を身につけ、有効に時間を使えるようにする。



当日の算数の攻略法は、まず全体の50%を占めるA・Bランクの問題の解けそうなものから攻略していく。場合の数などの解けそうにない問題は後回しにして最後にじっくりみるようにするとよい。場合の数はいわゆる「捨て問」になるものもあるため、吟味してより多くの問題を確実に解けるようにする。問題の量が多いため、見直し時間は作らないぐらいに考える必要がある。



国語 [45分/100点]


物語文 純粋な小説物語文は過去十年間出題されていない。
説明文・論説文 度々出題。文明論や人と自然との関係を問うもの、コミュニケーションに関するものなど、人間の生活や生きる姿勢を問う内容のものの出題が多い。
随筆文 比較的長めの文章で度々出題。
何度か出題されたことがある。詩の中の副詞を選択させる問題や比喩表現の意味を問う問題が中心だった。
慣用句・慣用表現・ことわざ 度々出題。慣用句とことわざがセットで出題されるパターンと慣用句・慣用表現が単独で出題されるパターンに分かれる
文法 過去に、転成名詞の出題、自動詞・他動詞・助動詞の識別や動詞の音便系を選ばせる問題を出題。平成14年度に敬語の種類を識別させる問題が初めて出題された。
熟語 二字熟語、三字、四字熟語の意味を問うものや熟語の一部を空欄にして穴埋めさせる問題、打消しの字を入れる問題などが大問として出題。

慶応中等部の国語は、大問4〜6題の構成で、文章読解の総合問題が1?2題、残りは漢字の読み書き、慣用句などの知識問題となっている。難解な問題はほとんどなく、基本的なレベルで45分あれば慌てずにとりくめるレベル。

文章は、説明文と随筆が多く、設問は多岐にわたる。また、漢字の読み書き取り以外は、ほとんどが選択式。よって、合格ラインはかなり高めに設定されている。
その分取りこぼしは許されず、細部に渡る正確な読解力が要求されてくる。
満点を目指すくらいの国語力を身につけ、国語で失敗しないようにするのが合格のポイント。

もちろん、年度によって問題形式にそれなりの変化があるが、第1問に随筆文か説明文、それ以降には熟語や慣用句、漢字などの知識問題が出題されるのは長年変わらない。


慶応中等部の国語で合格点をとるためには、

@「教養」を身につけることと常に「問題意識」を養うことが必要である。
A知識問題のウエートが高いため、コツコツ勉強してきた子が求められる。知識問題では、熟語と慣用句で合否が分けられる。
B文章問題は、硬い文章で、意見を問うような問題ではなくテーマ性を重視させた問題が多いため、文章力が要求される。よって普段から新聞に目を通したり、大人の文章に慣れ、問題意識を持つようにしておくこと。



当日の国語の攻略法は、まず後半の知識問題からスピーディに片付ける。そして文章題は、45分の試験時間の中で内容が硬めなため十分以内におさえる必要がある。選択問題は消去法で吟味して正解の根拠をしっかり踏まえて回答すること。


理科 [25分/50点]


試験時間25分で、問題数5?6題、設問数は25問前後。記述をする問題はなくすべて選択式だが、やはりスピードが要求される試験と言える。

出題内容は、実験・観察・観測問題が主で、図・表・グラフが豊富に使用されているため、実験・観察の手順や用具の使用方法などに慣れておく必要がある。
出題分野は、物質とエネルギーからの出題が目立つが、生物と環境、地球と宇宙からも毎年取り上げられている。 確実な知識の定着、実験・観察手順の理解、グラフを読み取る力、そしてそれらをもとにして理科的な考え方ができるかが問われるタイプの問題。


慶応中等部の理科で合格点をとるためには、

@知識問題は細かい所まで聞かれるため、うろ覚えではなくきちんと覚えて得点する。
A25分という短い試験時間内に大量の問題数が出題されるためスピーディに解く練習をする。
B実験観察に関する問題が出題されるため、実験器具の扱い方(どうしてそうする必要があるかの理由)や観察結果に対する考察などきちんと把握する。また比較実験をしてどう違いが出るかなども頻出である。
Cグラフをきちんと読み取る力も要求される。
D計算問題は、「正確な立式」「正確な計算」「正確な理論の理解」を持って対処するようにしなければならない。


当日の理科の攻略法は、まずは知識問題を問われる植物分野から手をつける。わからない応用範囲は印をつけて保留にし、とにかくスピードを意識して問題をとくことが先決である。


社会 [25分/50点]


地理 日本の地形と気候区分、各地の河川名・湾名・海名並びに湖沼の分布と流域の状況、各地方および都道府県の地形、国立公園の分布と周囲の事情、地震・洪水などの自然災害への対策。日本各地の農産物の生産高、主要貿易品の輸出入の相手国と順位、各地の地勢と産業、日本の伝統産業とその分布、各地の交通事情および人口動態。日本と周辺国との事情あるいは地形ないし気候などのグラフを使った比較、産業と公害との関係、各地の工業地帯と工業地域の出荷額グラフ、各地の歴史と名産物など。他分野との関連で出題され、必ず地図が組み合わされる。
各地の山地、台地、河川、国立公園、湖沼、島々などは名称と位置共々詳しく覚えておくとなお良い。地域ごとにマニアックな設問をしてくることも多々ある。
歴史 原始時代から近代(明治〜昭和時代)頃までの歴史的事実に関連する地名・人物名および場所、特定の時代の対外交渉史と王朝名が出題される。
資料を使った古代〜中世の経済生活(貨幣の流通)、近世の農業技術・農村の制度、将軍の歴史(中世〜近世)。各世紀の初頭と世紀末の関係、近現代の政治制度および経済事情と産業の変遷、全時代を網羅した年表の完成、大戦後の紛争の起こった地域の特定など。重要地点の地図上の位置が問われ、和歌や俳句など各時代の文化も繰り込まれる。
慶応中等部・慶応普通部などの慶応系中学校の定番といえる「年代順に並べ替える問題」が必ず出題される。
歴史上の事件や遺跡の地図での指摘、人物についての質問、また近年は日本史と関連させて「世界地図」の上で該当する国の設問などの傾向がある。
公民 衆議院および参議院の選挙制度、「国民主権」など日本国憲法関連、地方自治制度、過去十年間の政治動向、国政選挙の結果、税金の制度や種類、国会および内閣の役割など。
時事問題 五輪開催地(2008年北京オリンピック)、国民の祝日、国連機関の役割、核実験国、日中関係情勢、洞爺湖サミットなど。

慶応中等部の社会は、「地理分野の設問の割合が高い」「設問数が多い」という特徴がある。
試験時間25分で、5題前後の大問。解答箇所が60個程度あるので、やはりスピードが要求される。
難易度は基本的な問題が中心ですので正確な知識の有無を問う問題といえる。
出題分野では、日本地理・歴史がほとんどを占めますが、最近の傾向としては時事的な事がらを含めた融合問題が出題されるようになった。公民でも、時事的な内容が取り上げられている。

また、全体が記号選択に統一しているため、どれに時間をかけるという気遣いはいらないが、単純な選択問題や正誤問題とは異なり要注意である。
よって過去問研究が必要である。物事の全体像を見て臨機応変かつ大きな判断のできる、総合的なバランスの取れた生徒を求めている。


慶応中等部の社会で合格点をとるためには、

@地理分野の学習は地図で位置確認をしながらする。
A紛らわしい問題文の表現や独特な言い回しがあるため、25分という短時間で読み間違いをしないように過去問をしっかり分析し、研究しておく。
Bスピードと正確さが要求されるため5秒程度の即答力をつける。
C文化史が少ないが、人物に関して詳しく問われるため、各時代の事件と人物との関係をよく把握しておくような勉強をしておく。
D公民分野は国会の仕組み、内閣の役割に関することなど、日本国憲法に関連したものが多いため(慶応普通部の社会も共通)、憲法に根ざした選挙制度や三権分立などの知識を確立すること、前年に起きた出来事や今後の国際会議やオリンピックの開催地の名称などまとめておくことが望ましい。


当日の社会の攻略法は、全て記号選択問題のため、まず問題文が短いものから片付けていく。
選択に迷ったら保留にするが、くれぐれも解答欄にミスがないようにする。
問題文の長いものは、設問を先に見て処理していくと良い。試験時間は短いためミスのないように的確に選択することが望まれる。



慶応中等部との併願校一覧


【挑戦校】 開成栄光学園


【最適校】  慶応湘南藤沢慶応普通部聖光学院A桜蔭


【堅実校】 青山学院立教池袋A芝@.・フェリス浦和明の星@


※試験日程変更にご注意下さい。


これからも、創研アカデミーに、より一層のご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。皆様との良き出会いを教室にて、お待ちしております。


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                             塾長 榎本勝仁