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慶應普通部の傾向と対策(算数・国語・理科・社会)

算数 [40分/100点] 


普通部は、大問9問、総設問数15問程度でA~Eランクに分けてB・C・Dランクの問題が多く、差がつきやすい問題構成になっている。
『図形』、『数の性質』、『特殊算』など頻出単元からの出題で途中式も要求されます。試験時間が40分と非常に短いため、問題の取捨選択眼と相当な処理スピードが必要。
受験担当の出題者が、お気に入りのアイデア系の問題は、ほぼ同じ形で複数回出題されるため、他校以上に
過去問予想がしやすい。


慶應普通部の算数で合格点をとるためには、

①計算練習を十分にして早く正確に解けるようにする。
②約数倍数の性質に関しては知識を整理しておくこと(素因数分解など)。
③場合の数に関する感覚を養う。
④最上級ではなく中級レベルの問題をマスターする。
⑤比と速さ、旅人算のウエートが高いため、グラフ処理もできるようにする。
⑥問題の難易を見極めて解く練習。
⑦考え方や図を重視して採点されるため、答案の書き方を練習する。
⑧比較的ヤ易しい図形問題は確実に解けるようにする。

などが挙げられる。

当日の算数の攻略法は、まず計算問題をクリアして、問題全体をざっとみる。
次に、比と割合や図形など道筋が見えたものから解いていく。
図形の移動などは時間がかかるので後回しにする。
速さは解きやすいか判断しにくいので注意する。

最後に、調べれば意外に答えが出てしまう場合の数や推理算を片付けていくといよい。わからなくなったら次の問題に移ることがポイントである。



国語 [40分/100点] 

物語文 毎年出題。登場人物の心情の記述、正誤問題が多い。文章中に根拠となる表現がないため、推理しなければならない。慣れておく必要がある。選択式の問題も心情を問うのが多い。子供の心の動きをたずねる
説明文・論説文 近年頻繁に出題。読みにくい文章が多い。文章量は多くないが、問題が難しいため、事前に過去問で対策する必要あり
随筆文 数年おきに出題。物語的な随筆文が多い。筆者の心情や内容解釈問題が多い
近年頻繁に出題。詩の解釈の記述、解説文がついた選択式の問題が多い。表現を手がかりに情景を創造する必要がある。
慣用句・慣用表現・ことわざ 数年おきに出題。慣用句ことわざを答えさせ、ともに意味を聞かれる。
文法 過去数回出題。助詞の識別、修飾・被修飾の関係を見出す問題が特に頻出。
熟語 あまり出題されていない。
同音異字 書き取り問題が過去に出題されたこともある。語彙問題に傾向がないため、同音異字に要注意。
部首 平成11年には、同じへんつくりの漢字をまとめて書き取りさせる問題出題が出題されたこともある。

慶応普通部は、独自な出題傾向はないため、出題傾向から対策を取ることは難しい。物語文、随筆文、説明文、漢字、さらに選択・抜き出し・記述とバランスよく出題される。

一見平昜な設問・文章に見えるが、紛らわしいものが多いので注意が必要。
文章解読問題が2〜3題、独立知識問題が1〜2題が例年の形式で熟読熟考している時間はなく、速読速解の力が求められる。回答形式は、文中からの書き抜きや、記述式が多数を占める。
つまり、40分の試験時間に対応できる、正確かつ迅速な読解力が重要である。

設問内容は多彩で、バランスの取れた総合力を試している問題構成。よって、普段より、本や雑誌を読んだり、新聞に目を通したり、日記をつけたり、作文を書いたりして、自ら考え文章にする力を養う必要がある。

出題スタイルはくせのある問題はなく素直な問題が多い。知識問題のウエートは少ないが、近年出題されているため要注意。

合格するために、総合的な国語力が必要とされ、文章から想像力を養う必要があるため、読書に親しむことで国語に慣れること、速読力が必要。字数制限のある記述練習をする。選択問題は、消去法を身につける練習をする。語彙問題は、ひととおり学習し、慣用句ことわざの練習が必要。毎日、漢字練習小テストをする。
80%得点し、ミスは許されない。

当日の国語の攻略法は、漢字の書き取り慣用句などから手をつけて、読解問題に時間をかける。問題を読む前に、問題に目を通し、線を引きながら文章を読む。設問の下線部には印を付けて探す時間のロスをなくすなどのテクニックも必要。


理科 [30分/100点]

試験時間30分で、問題数3〜4題、解答箇所が30〜50程度。時間との戦いの試験と言える。

問題の内容は、実験・観察に基づくものがほとんどですので、記憶している知識をフル回転させることに迫られます。

慶応普通部の理科は、身の回りにあることを科学的に観察し、理解する子を求めている。(分野としては植物・気体の性質・力のつり合い・熱・天体の動き・気象など)

具体的には、野外観察、実験、環境問題、成育観察など体験をもとにしたテーマが扱われ、分野の枠にとらわれない様々な問題が出題される。
そのため、広い知識を土台にした、多面的な分析力、理科的な考察力、さらに正確で迅速な計算力が求められます。

対策としては、机に向かうだけではなく身の回りの生活のメカニズムに興味を持つ必要もある。身近な事柄を科学的に考えられる力も必要。

参考書に出ているような植物だけではなく身の回りにある植物、昆虫との関連を問う問題などがあるためフィールドワークも大事になってくる。
その部分には、慶応普通部合格マニュアルにも細かく書いてあるのでお持ちの方は熟読して下さい。


慶応普通部の理科の合格点をとるためには、

①基本的な問題が多いためみんなが正解できる問題は確実に得点する。またおろそかにしがちな植物の図と用語を関連させて覚えること必須。
②問題数が多いためスピードかつ正確さが要求される。
③グラフを読んだりする算数的な力も必要だが、実験器具に関する扱い方や実験結果に対する考察など、実験観察に対する理解が必要。
④記述問題は、基本的な知識を要求されるため、書く練習をすること。
⑤ノートを丁寧に取り、学習の上で「なぜか」という疑問を常にもつことが必要。学習している際以外にも、身の回りのことに興味を持てば自然と理科の知識が増えていくはずである。
⑥植物は面倒くさがらずに一通り掛けるようにしておくとよい。


当日の理科の攻略法は、まず普通部的な身の回りのものに関連した考える必要のある問題に印をつけて後回しにする。
基本的に解けそうな問題はスピーディかつ正確にさっさと片付ける。

記述式で答える問題も、始めから完璧な解答を求めず、まずは迷わず書いて、その後で整理。

グラフや数値の読み違いには十分気をつける。そして一通り問題が解けたら、身の回りのものに関連した考える必要のある問題に入る。
常識的に理屈で考えたらどうなるか、という方向性で考えると見えてくるものである。最後に見直しに入る。問題の読み違いがないかなど、最終確認を必ずする必要があるなどがポイントになってくるであろう。


社会 [30分/100点]

地理 日本の気候区分、地震・洪水などの自然災害への対策、日本の河川の分布と流域の状況、日本各地の農産物の生産高、各地の地勢と産業、日本の伝統産業とその分布、各地の交通事情および人口動態。エネルギーと発電所問題、日本の島々の周辺事情と地形、産業と公害との関係、輸出入と円高との関連および経済の変化など。

全分野から出題され、グラフなどの資料や地図が組み合わされる。
ただし、世界地理は比較的少ないのが特徴。日本地理では、各産業の現状と今後の予測、外国への依存度などを重点的に押さえる必要がある。

内容的にも形式的にも単純な問題がなく常に時事的、歴史的な要素が盛り込まれ、地図を用いた位置の確認が求められるなど、社会の総合力を問う内容となっている。

過半数が「日本の国土と自然」について出題。知識確認にとどまらず、「日本の森林」と木材の輸入状況を関連づけたり、「自然災害」から都市部での「地震」や「洪水」の防止策へと関連させたりする。
歴史 原始時代から近代(明治~昭和時代)頃までの歴史的事実に関連する地名・人物名、対外交渉史、と王朝名が良く出題される。

資料を使った古代の生活様式や暮らし向き・農村の制度、近世の農業技術、特定地方の歴史、近現代の政治制度および経済事情と産業の変遷、全時代を網羅して年表の完成など。

重要地点の位置が問われ、文化史は少ない。
歴史は、普通部特有の出題パターンがあるため、過去問を研究する必要がある。(要は福沢諭吉関連)

各時代の政治・外交・交渉・産業・制度・生活など多岐に渡り出題される。定番の出題形式として、各時代の出来事や事件に関した短文があり、それに関連した問題が出題される。出来事を年代順に並べさせる問題も頻繁に出る。また、短文記述問題として簡単に説明させる問題が毎年出題される。
公民 衆議院および参議院の選挙制度や議員定数(一票の格差など)、地方自治(福祉条例)、税金の種類や制度、国会および内閣の制度と役割、「国民主権」など。  日本国憲法関連の問題なども出題あり。

身近な問題を出題し、民主主義の本質やその延長線上にある政治の問題について自分なりの考えや意見を持った生徒を選別しているような出題もある。
時事問題 国民の消費生活、金券(商品券)などの使用、日本製品の海外での評価の変化、国連機関の役割や世界遺産(近年では、石見銀山遺跡など)の名称ならびにその位置、インターネット情報の意味、、サミット関連(洞爺湖サミット開催年なので特に関連性あり)、円高ドル安、サブプライム、石油上昇などの経済問題。
日頃からニュースや新聞に目を通す必要がある。

慶応普通部の社会は、例年大問が5~6問で構成され、地理分野から大問2題、歴史分野から大問2題、残りが公民から出される。
試験時間30分なので、やはりスピードが要求されるのは当然。
解答形式は選択式増加の傾向が見られ、基本的には、正確な知識の有無を問う問題といえる。


慶応普通部の社会の合格点をとるためには、

①主要な部分は、地理と歴史で占められているため、基本事項を徹底的にマスターする。(メモリーチェック社会が一番効率的)
地理は、日本地図から産業やランキング関連、気候の特色などをしっかり把握しておく。
歴史はすべての時代が対象だが、特に近現代史(福沢諭吉~)必須事項であり、基本事項を年表の流れで掴んでおくとよい。
②日常から基本的な時事的問題は理解しておく必要があるが、どれが重要なニュースとなるかわからないため、受験直前の年末年始にまとめればよい。
③長文で説明を求められることはないので記述解答については、箇条書き的な文をつないで簡潔解答作成の練習をする。
④公民に関しては日本国憲法の範囲を基本に出題されることが多いため、まず日本国憲法の三大原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)やその歴史を学び始め、憲法が国の最高法規としてどのように機能しているかなど、憲法を土台として国家の仕組みがどのようになされているかを理解する。


当日の社会の攻略法は、全体の問題をざっと眺めた上で、定番問題が出やすい歴史分野から解き始める。
この段階で時間がかかりそうな記述問題は印をつけて先に進む。とにかく時間のロスをなくすため、難解な地図問題や記述問題は後回し。
歴史が終わったら、地理分野へ進む。地理問題は、産業の状況や人口動態、交通事情、輸出入などのグラフや表でのデータを読み取らなければならないことが多いので、じっくり考える必要があるがあせらず解答すること。
一通り終わったら、保留にしておいた記述問題を最後に片付け、最後に見直しをするという形で進める。記述問題を白紙で出すことは絶対に避けること。
慶応普通部では、たった1点でも合否に影響する。


慶応普通部との併願校一覧


【挑戦校】 

【最適校】  慶応中等部・慶応湘南藤沢中学・聖光学院②

【堅実校】 青山学院中学・学習院②・サレジオ学院B・立教池袋②


※試験日程変更にご注意下さい。



これからも、創研アカデミーに、より一層のご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。皆様との良き出会いを教室にて、お待ちしております。


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                             塾長 榎本勝仁